幼稚園派が認定こども園を選ばない理由 専業主婦家庭にメリットはある?

園児のお迎えイラスト
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2015年4月より始まった新しい子ども・子育て支援制度のひとつである「認定こども園」は、今とても注目されています。

まだまだ歴史の浅い認定こども園ですが、どんな施設でどんな魅力があるのでしょうか。また幼稚園とはどこが違うのでしょうか。

この記事では認定こども園って何なの?といったところから、「幼稚園に行かせたい派」の主力であると思われる「専業主婦家庭層」が認定こども園への入園を視野に入れることに、どんなメリットやデメリットがあるのかまで、徹底的に説明していきます。

認定こども園とは

認定こども園は、各都道府県知事が条例に基づき認定し、総合的な子育て支援を提供する施設として、2006年10月より創設されました。

「教育・保育を一体的に行う施設」、いわば幼稚園と保育所の両方のよさを持っている施設のことをいいます。

保育所は厚生労働省の管轄、幼稚園は文部科学省の管轄ですが、認定こども園は内閣府が管轄し「子ども・子育て本部」という機関が設置され、ここで制度に関することなどを所管しています

管轄が違うあたり、ザ・お役所!って感じですね~。

従来の保育園で行われている「保育」と、幼稚園で行われている「教育」を一体化した施設と考えるとわかりやすいでしょう。

特徴として、幼稚園が3歳児から入園できるのに対して、認定こども園では0歳~就学前の子どもが入園できること、保育時間が夕方までと長いこと、また保育園と違って親が働いていなくても入園できることが特徴といえます

(後述しますが、少なくとも、建前ではそうなっています)。

ちなみに、保育園に準じた機能を持つということで、給食の提供についても認定こども園では義務であったり、自園調理が基本とされていたりと、従来の幼稚園とは違ってきています。

給食

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2017年7月23日

認定こども園のタイプについては、内閣府発行の認定こども園4類型の比較にわかりやすくまとめられています。

認定こども園はなぜできたの?

ところで、幼稚園や保育所があるのに、なぜ新たに認定こども園ができたのでしょうか。その背景には特に、共働き家庭の増加があげられます。

女性が子どもを出産したあとも、働くことができる環境が整備されてきた現在は、出産後に仕事を続けていきたい女性も増えてきました。

そんな中で、幼稚園は基本的に1日の教育課程に係る教育時間は4時間を標準とするという決まりがあるため、こどもを幼稚園に通わせた場合は、お迎え時間に間に合いません。

これでは、ママがフルタイムで仕事をすることはむずかしくなってしまいますよね。

両親がフルタイムで仕事をしている場合は、こどもを保育所に預けることが理想なのですが、定員オーバーで保育所に預けることができないという事態が起きています。

このような事態を解消する手段として「認定こども園」という施設を許可するようにしたというわけです。

身も蓋もない言い方をしますと、

同年齢児の保育を違う施設でやってたらいろんな意味で間に合わないYO!(人材的・物理的にこれ以上保育園を増やすことがむずかしいため、すでにある幼稚園などの保育内容を変更して待機児童を詰め込んじゃおう☆)

ということですね。わかります。

4タイプある認定こども園

認定こども園には地域の実情や保護者のニーズにあわせて選択ができるように4つのタイプがあります。

幼保連携型幼稚園の機能と保育園の機能、両方の機能をあわせて持っている施設
幼稚園型幼稚園として認可されている施設が、保育が必要なこどものために保育時間を確保したり、保育所的な機能も備えたりして「認定こども園」としている施設
保育所型認可保育所で、保育が必要ではないこどもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としたタイプの施設
地方裁量型幼稚園や保育所の認可がない地域の教育・保育施設が、認定こども園の機能を果たすようにして設置した施設

最後の地方裁量型などは、名称が違うだけで実質的には「認可外保育園」に他なりませんよね。

共働きじゃなくても長時間預けられる?

ここで気になるのは、

「パパだけがフルタイムで働いている=ママは専業主婦」である家庭で、子どもを認定こども園に入れたい場合、0歳児から預けられるのか? 長時間預けられるのか?

という点ではないでしょうか。

はっきり言ってしまうと答えはNOです。

地方自治体による入園後の認定で保育時間が決まる

本来なら幼稚園で事足りる家庭がみんな長時間保育可能な保育園枠に入ってしまうと、その分、どうしても保育に欠ける家庭のリソースを奪ってしまうことになってしまいます。

それを防ぐためにあるのが、認定こども園の入園後に決定される「1号~3号認定」です。

これはどういった認定なのでしょう。

1~3号認定の基準
1号認定→3歳以上かつ保育を必要としない子ども
2号認定→3歳以上かつ保育を必要とする子ども
3号認定→3歳未満で保育を必要とする子ども

一見ややこしいようですが、まとめると

幼稚園枠1号認定「家庭で保育が可能な」3 歳以上の子ども(幼稚園の保育時間)
保育園枠2号認定「家庭で保育できない」3歳以上の子ども(保育園の保育時間)
3号認定「家庭で保育できない」3歳以下の子ども(保育園の保育時間)

となります。

つまり2~3号認定を受けるお子さんは、元々保育園に入園する予定でいるご家庭のお子さんであるということです。

認定こども園には幼稚園部門があり、1号認定を受けたお子さんはそちらで従来の幼稚園と同様の短時間の保育を受けることになります。

長時間預けたい場合は、一時預かりを利用することになりますので、一時預かりアリの幼稚園に通うのとほとんど同じ形態になってしまいます。

ですので、着目するとすれば、「保育時間以外で認定こども園にどんな特色・メリット(デメリット)があるのか?」ということになってきますね。

では、教育面ではどうなのでしょうか。認定こども園ならではの教育面のプラスはある?子どもたちを教える教諭(先生)という点から見てみましょう。

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認定こども園の先生はどんな資格をもっているの?

幼保連携型の認定こども園には保育教諭が配置されます。保育教諭とは幼稚園教諭の免許状と保育士の資格を併有している先生です。

その他の認定こども園では、満3歳以上の子どもを担当する先生は、幼稚園教諭と保育士の資格の両免許・資格の併有が望ましいとされています。

また3歳未満の子どもを担当する先生は、保育士の資格が必要となっています。

幼稚園の先生って、わりと「教師」に近い雰囲気で、保育園のような家庭的な雰囲気とは少し違いますよね。

通常の幼稚園でも十分に責任をもって保育をしていただいていると思いますが、保育士の資格も持つ保育教諭に見ていただくことで、よりいっそう「小さな子どもを預ける」信頼感は増すかもしれません。

幼稚園ならではのもの:教育方針と教育のねらい

幼稚園は文部科学省が管轄する教育機関なので、幼稚園教育要領というものに沿って、それぞれの幼稚園で教育課程が作成され、それをもとに教育が行われています。

幼稚園指導要領には、幼児の発達の側面から「健康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」にわけて、幼稚園生活全体を通じていろいろな体験を積み重ねて目標に達成に向けて指導されるよう示されています。

幼稚園での教育現場では、文部科学省から出されている「幼稚園教育の基本」に沿って「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」 を重視した幼児教育が徹底されています。

それぞれの幼稚園が、この五つの項目を十分に満たすために、どのように子どもたちを育てていくかを考えています。そのため、幼稚園によって、さまざまに個性豊かな教育課程が生まれるんですね。

自由な感性をはぐくむことを主眼に置いている幼稚園や、体育を重視した幼稚園、音楽を重視した幼稚園など、個性豊かな幼稚園が全国にあり、保護者は地域によって自由にそれらを選ぶことができます。

この充実した教育面は幼稚園に行かせるメリットであり、幼稚園に行かせるご家庭であればもちろん知って選んでいるはずなので、今さら「それがあるから認定こども園に行く」新しいメリットにはなりにくいでしょう。

すでに行かせたい認定こども園があり、そちらの教育方針が大変気に入っている場合はもちろん別です。

共働き家庭には明らかなメリットがあるが・・・

保育園に行かせるしかないけれど、教育方針や教育内容などをふまえると幼稚園に行かせたいというご家庭はけっこう多いです。

そういった場合に、保育園と同じだけあずけられて、なおかつ幼稚園の教育を受けさせることもできるというのが、認定こども園なのです。

したがって、幼稚園に行かせたいけれど、幼稚園ではお迎えが間に合わないという共働き家庭の場合は、幼稚園ではなく認定こども園を選ぶことに大いなるメリットがあります。

また、今まで幼稚園としてだけで運営していた施設が、幼稚園と認定こども園の両方の機能を備えているようになったということもよくあります。

幼稚園派にメリットはある?

共働き家庭が認定こども園に子どもを通わせることで、教育面などでメリットがあることがわかりました。

さて、今度は肝心の「幼稚園派が認定こども園を選ぶメリット」について見ていきましょう。

いろいろな年齢の子と関わることができる

認定こども園では、保育の時間もあるため、その時間は、いろいろな年齢の子の中で保育されることが多いようです。

幼稚園は年少・年中・年長と同年齢の子どもたちごとにクラスが分けられるので、同じ年の子との関わりが多くなります。

一方、認定こども園の保育の時間には、違った年齢の子と関わることが多いのが特徴といえます。

自分よりも小さい子に優しくするということを覚えたり、年上のお兄さん、お姉さんを見習って、まねをしたりすることができます。

幼稚園って、よくも悪くも、家庭ごとに環境に特筆するほどの違いが少ないんですよね。経済的にも、生育環境的にも。

専業主婦が多くて、比較的(主に)母親が子どもと過ごす時間が多い家庭。

3歳入園時に門のところでママにひっついて号泣している光景をよく見ますが、保育園に行かせているご家庭では、その関門を早い場合には生後4ヶ月くらいで経験するわけですよね。

私の周りでも、幼稚園児と保育園児のメンタリティの違いが時々話題になります。幼稚園児は、よくも悪くもおっとりしたタイプが多いとよく言われています。

3歳での入園まで自分のおうちでママと過ごす時間が多く、自分から行動する前に要求が満たされるケースも比較的多いと思われますので、前に前に出ていくバイタリティがない、というわけです。

ひるがえって、保育園の子は、自己主張もはっきりしていて、しっかりしているというもの。

まあ偏見といわれればそれまでで、もちろんその子その子によって違うのは当然なのですが、自分の子どもたちを見ていると、確かに箱入り娘(息子)だなあとは思います(苦笑)

帰省で、保育園育ちの従兄弟たちと遊ばせると、まあワンテンポ遅れて輪に入っていきますよね。口でもおもちゃの奪い合いでもたいてい負けている(笑)

いろんな環境で育ったお友だちができるのは、認定こども園ならではのメリットかもしれませんよ。

主婦家庭が認定こども園を利用するデメリットとは?

さて、デメリットについてはどうでしょう。

認定こども園のデメリットは、子どもにとってというよりも、運営やシステム側にあるようです。

たとえば、幼稚園児・保育園児の別を問わず保護者にとっては頭の痛い問題が、保育費用や、定員問題ではないでしょうか。

主婦家庭の方が保育料で損をする!?

日経デュアルで以前こんな記事がでていました。

衝撃的なタイトルの記事ですが、中身もなかなかショックなことが書かれています。

同じ認定こども園に子どもを入園させても、9時~16時の幼稚園時間で通わせる家庭と、朝から夕方まで預ける保育園時間で通わせる家庭とでは、時間当たりの保育料金に大きな格差ができてしまうというものです。

こども園では、1号(片働き)と2号(共働き)別々に「公定価格(保護者自己負担金額)」が決められます。公定価格は世帯収入によって決まり、高収入の家庭ほど高く、低収入の家庭ほど低くなります。足りない分は税金で補填される「応能負担」と呼ばれる仕組みは認可保育園と同じです。
結果、うちの園では1号と2号の最大金額が共に3万円弱で、ほぼ同額でした。幼稚園のみ利用する(1号)家庭は週20時間程度、共働き家庭(2号)は週40時間と、利用時間が倍も違うので、単位時間当たりの自己負担額は、共働き家庭は片働き家庭の半分で済むことになります。

 

こちらの記事のライターさんは、一時保育ありの幼稚園でわきあいあいと共生していた長時間保育ママ・通常保育のママが、認定こども園になって不公平感を感じるような環境になってしまったことに怒りを感じているそうです。

同じ園に通わせ、自分の家庭よりはるかに長時間預けていながら、時間当たりの料金でみると圧倒的に「損」をしている・・・。

そう考えると、認定こども園内で保育園ママと幼稚園ママの間がぎくしゃくしても、まったくおかしくないように思えます。

また一般的に、認定こども園はふつうの幼稚園とくらべると費用が高いところが多いようです。これも認定こども園に子どもを通わせるデメリットの一つだといえるでしょう。

結局はフルタイムで仕事をしている家庭を入園優先?

さらに、誰でも入ることができるとされていますが、保育を必要とする人の方が優先になる場合が多々あることも、専業主婦家庭が認定こども園に子どもを通わせるデメリットです。

つまり、その施設の定員いっぱいになりそうなときは、保護者のどちらかが専業主婦(主夫)の場合と共働きの場合では、共働きの方が優先されるということがかなり多いんですね。

この場合、「保育を必要とする事由」という基準によって決められるとのこと。

ここにも、認定こども園制度が、すべての子どものための制度ではなく、保育園の待機児童の受け皿として創設されたものであることの影響が色濃くでています。

まとめ

もともと、保育園に入ることができない子が多いことから、その対応策としてできた認定こども園。

運営する側にとっては、いろいろむずかしい面もあるため、思うように増えていかないということもあるようです。

けれど、保育所と幼稚園だけの選択から、このように両方の機能を備えた施設ができたことは、保護者やこどもたちにとって、相対的なメリットは大きいのです。

特に、幼稚園に行かせたいけれど、パートにも出てみたいというママには、認定こども園を選ぶメリットは多いにあるでしょう。

個人的には、子どもが幼児の間は働きにでないと決めている専業主婦家庭であるなら、現状、認定こども園に入園させるメリットは感じられません。

認定こども園といいながら、保育園の利用がベースとされるシステムであるかぎり、保育園家庭とのあつれきと不公平感を生みだしてしまうのではないかと感じてしまいます。

初めての集団社会の中で、こどもたちにどんなことを学んでもらいたいかをよく考え、自分たちのライフスタイルにあった無理のない施設を選ぶことが大事です。

せっかく新しく増えた選択肢ですので、有意義にチョイスの中に入れていきたいですよね。

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