幼稚園の入園のためにも、避けては通れない関門の一つが「願書」。
書き方次第で入園の合否が左右されるという話もあります。
この記事では、そんな「願書の書き方」の基本について、実際の書類見本や実例をもとに解説してゆきます。
目次
実際の願書見本
まずは幼稚園の入園申込書(願書)がどのようなものか、実際にいくつか見てみましょう(こちらに記載している入園願書はTK-Mamaが独自に入手したものです)。
願書見本1
願書見本2
願書見本3
願書に添付されている入園予定児の生活調査票の見本
いかがでしょうか?
私は2人の子どもの幼稚園選びで10園近くの説明会に行き、願書も多数もらってきましたが、どこの園もだいたいこのような様式でした。
だいたい、予想されていたとおりかと思いますが、高校受験や大学受験の願書と基本的には同じような雰囲気ですね。
ただし、幼稚園の願書の場合は、志望動機・長所・健康状態などに加え、家族についての欄(職業)や別紙として生活調査票などが設けられているのが特徴です。
生活調査票とは?
願書(入園申込書)の追加資料として、入園を希望する園児の 願書の裏面になっていたり、別紙として添付されていることが多いです。
生活調査票では子どもの生活のようすやアレルギーなどの健康情報についてより詳しく質問事項が記載されています。
・主な養育者(父・母・祖父母など)
・集団生活の経験の有無
・くせ/長所/短所
・発達状況
・予防接種の接種状況
・おむつについて
・排泄について
etc.etc.
上記のように、かなりの多項目にわたります。
これらにプラスして家から幼稚園までの略地図を書かせたり、志望動機を書かせたりする園も多いです。
調査票の内容は幼稚園によって大きく違ってきますので、各園の願書に付属する生活調査票をかならず熟読するようにしましょう。
幼稚園の入園願書に記入する前に・・・
次に、願書および調査票を記入する前に、大事なポイントを押さえておきましょう。
1.家族としっかり相談する時間を持つ
「パパが忙しくてふだんはママが主に育児、幼稚園選びや入園準備についても、私ばっかり動いてる・・・」
ママがそういったため息をついているご家庭、案外多いんじゃないでしょうか?
入園願書を取りにいったり、記入すること自体がママのワンオペということもありますよね。
現にTK-Mamaのところも、長女の時はそうでした。あとで報告や相談は一応していましたが、夫は帰りが遅く、リアルタイムでは動いてくれていませんでした。
でも振り返って思うことは、やっぱりはじめから、幼稚園選びや願書に関することは、何でもオープンに話し合いたかったということです。
幼稚園選びや願書提出にかかりっきりになり、
「何とかベストな幼稚園にこの子を入れなくちゃいけない」
という焦る気持ちでいっぱいで、何度も不安な気持ちになりました。
幼稚園の願書を書くのって、とても特別で、貴重な機会だと思うんですよ。
入園の可否はもちろん大事なのですが、それだけでなく、お子さんの日ごろの習慣や長所、親としてこういう子になってほしいという希望、家庭としての教育方針などをふたたび確かめるチャンスです。
そういう機会を持つことは、とってもすてきなことだと思いませんか?
ママとパパとの「考え」のすり合わせは、願書を書く上でも、これからの幼稚園生活でもとても重要になってきます。
この機会に話し合って、同じテンションで幼稚園出願にいどんでくださいね。
そして、できれば願書はパパに書いてもらってください。
娘・息子の大事な願書を手書きすることで、いっそうの当事者感と責任感がめばえることでしょう。
うちは息子のときはそうしてもらいました。夫もまんざらではなさそうでしたよ。
2.願書の作成は時間に余裕をもってはじめる
幼稚園の願書の作成は、願書を手に入れた日からはじまっています。
本番の記入も提出の数日前には終えておくべきだと思いますが、それよりも前述したようにパパと話し合ったりする時間は入手その日でもいいくらいです。
書きはじめてみるとわかりますが、願書の記入欄ってそうとう短いです!
愛する子どもの長所短所、生活習慣に発達状況の心配など、親としてはいくら行数があっても足りないようなところを、他人にもわかりやすく簡潔にまとめなくてはなりません。
お子さんのようすを見てあげながらしっかりと家族と話し合い、ポイントポイントを時間に余裕をもってまとめておきましょう。
願書記入というのは、その最終ステップであるとお考えください。
また、願書作成を早めに終えておくことで、面接の練習などに時間を回せます。
幼稚園の願書を書くときのステップ
願書を書くにあたっての具体的なステップはこのようなものになります。
ステップ1.願書のコピーをとる(もらってすぐ)
書き損じを防ぐために、本番記入の前にコピーで練習することをオススメします。
時間がたつと忘れがちですので、すぐに何部かとっておきましょう。
こういった記入が苦手な方や、字を書くのが苦手な方は、複数とっておいたほうが何かと安心です(後述しますが、願書では修正液などは使えません)。
ステップ2.別のノートなどに記載事項をまとめてみる
文字にしてまとめることで、記入する内容が固まってきます。また略地図を書く必要がある幼稚園ではその練習もしておきましょう。
ステップ3.写真撮影
ほとんどの幼稚園で願書には子どもあるいは家族の写真を求められます。
スナップ写真のようなカジュアルでいいという幼稚園もありますし、パパ・ママに関しては証明書的な写真を求められることもあります。
提出ぎりぎりになって焦らないように、どういった写真であれ早めに撮っておきたいものです。
ステップ4.練習用の願書・生活調査票(コピー)に記入する
書く内容が決まったら、練習用にコピーしておいた願書や調査票に実際に記入してみましょう。
先述したとおり、紙面にはかぎりがありますので、ここで書きたい内容の長さを調整します。
たくさん書きたいからといって、あまりにも小さな文字で書いたりしないように!
園長先生以下の先生方が読むものであるということを念頭に置いて、読みやすい願書を心がけてください。
ステップ5.実際の願書・生活調査票に記入する(本番)
いよいよ本番です。すでに書くことは決まっているのですから、気負うことはありません。
練習した内容を、一字一句丁寧に、気持ちをこめて書きましょう。
ステップ6.記入ずみの願書のコピーをとっておく
願書は原本を提出しますので、後になって疑問点などがでてきても読み返すことができません。
そのため、決定稿を書き終わってすぐにコピーをとっておくことを強くオススメします。
面接がある場合には、提出された願書をもとに会話や質問が進められることになります。
わが子の長所を書いておいて、面接時に「何だっけ?」となるのでは、目も当てられませんよ~。
筆記用具はボールペンで大丈夫? インクの色は? 願書を書く際のテクニカルな注意
願書作成についてのステップはわかりましたが、実際に書くとなるといろんな疑問があると思います。よくある疑問を一つひとつ見ていきましょう。
筆記用具とインクの色
鉛筆でなければ、ボールペンでも万年筆でも大丈夫です。
ペンの色は、本来的には青が正式ですが(原本だとわかるため)、現在では黒色のインクが主流ですので黒にしておくのが無難でしょう。
もちろん、万年筆などでインクの色にこだわりのある方などは、青色を使用したところで、それが原因で不合格となることはないかと思います。
修正液は使えない
修正液・テープは公式書類には使用できません。万一、本番で間違えてしまったという場合は、かならず二重線で訂正の上、訂正印を押しておきましょう。
印鑑はシャチハタ不可
幼稚園の願書には印鑑を押す箇所がある場合があります。
押印にはシャチハタは使えません。
安い認め印で十分ですので、かならずシャチハタ以外の印鑑を使うようにしましょう。
なお、うちは幼稚園入園(準備)のタイミングに合わせて娘・息子の印鑑セットを作りました。
ちなみに下の男の子用に買ったのはこれ↓(クリックするとショップで見られます)
願書内では幼稚園のことを「貴園」と書く
会社の呼称を「御社」とするように、幼稚園の願書の中で園について言及するときは「貴園」と書きます。
間違っても「○○幼稚園さん」など砕けた書き方にならないようにしましょう。
実際の記入例~長女の場合~
では、実際にどのように記入していくか見てみましょう。
出てくる記入例は、実際に長女の3歳児入園(3年保育)の願書提出に使ったものです。
長男は同じ幼稚園に入れましたので、また書き方が異なります(知っている園のため)。
ここでは、はじめて入園する幼稚園という前提でお話しますね。
1.志望動機
見学時のエピソードなどを入れるのは鉄板?
志願するほどの幼稚園ですので、特にお世辞をまぜなくても、ここは保護者の方それぞれの思いがきっとありますよね。
志望動機欄の大きさにもよりますが、
・なぜその幼稚園がいいのか
・見学などで感じたよかった点
・その幼稚園でどのように成長させたいか
は書きたいものです。
2.家庭の教育方針
これもありのまま書きました。
「しつけの部分で「ごめんなさい」を入れた方が聞こえがいいんじゃ・・・」
と一瞬迷ったのですが、うちでは思ってもないのに無理やりごめんなさいを言わせる教育はしていないので(それだけ済むと思わせたくないため)、あえて書きませんでした。
3.長所
娘と生活する中で、一番「すごいな」と思っていることを、すなおに書きました。
親でしたら、だれでも子どもを自慢したいポイントはお持ちだと思うので(笑)変に飾り立てずに、正直に書けばOKですよ。
4.短所
だいたいの場合、短所って、長所の裏返しですよね。
あまりネガティブになりすぎないように、「その短所についてどう対処しているか」も含めて書くようにしました。
最大のポイントは、ネガティブになりすぎないことだと思います。
言ってもまだ小さい子どものことですので、願書でとうとうと短所を述べる必要はありません!
5.保護者との続柄
これ、単純なところなんですが、一瞬迷いません?(私は迷う)
「あくまで自分から見た子どもの立場」になりますので、第一子だと「長男」「長女」、第二子以降の場合は「次男」「次女」、「三男」「三女」のように記載します。
うちは第一子の女の子ですので、「長女」と記載。
6.健康状態・既往歴・予防接種履歴
発達状況に特に気になるところがないようでしたら、現状をありのまま、包み隠さず書きます(発達状況に関して気になる点があれば、事前に相談した方がいいと思いますので)。
特に、園側が絶対に知りたいのはアレルギーや、ぜんそくなど、幼稚園で対応が必要になるような健康状態・既往歴についてです。
生命に関わる可能性もある、非常に大事なところですので、きちんと漏れなく記入しましょう。
予防接種の接種状況をたずねられた場合は、面倒でも母子手帳で接種ずみの予防接種を調べて書きましょう。
既往歴については、風邪や中耳炎など軽い日常的な病気であれば書く必要はありません。
長女は幸いアレルギーもなく、大きな病気もしていませんので、ここは「特になし」と書きました。
7.おむつについて
長女の場合は、願書提出の時点でおむつが完全に外れていましたので、特に記載の必要はありませんでしたが、息子の場合はまだアヤシかったので、「時々失敗することがある」ということを正直に書きました。
周りのママたちも、おむつについては正直に書いたといいますし、説明会では、各園の園長先生も、それで不合格になることはないと公言していました(やっぱり質疑応答で出るんですよね、この質問)。
8.保育歴・習い事
長女は、幼稚園に入れる前には1歳くらいから週に1度程度近くの保育園に行かせていましたので(私が自営業のため)、そのことを書きました。
習い事もふくめ、どんなところに、何歳何ヶ月から、どれくらいの期間行かせていたかを書きます。
うちは、願書の提出時点で習い事に行かせていなかったため、習い事は特になしと記入しました。
9.略地図
Googleマップなどで簡単に地図を見られる現在でも、家から幼稚園までの略地図を手書きで書かせる園はけっこうあります!
それこそ、ネットからプリントした地図を添付した、なんて話をママ友から聞いたこともあります^^;
でも、何だか手抜きと思われそうで(考えすぎなのでしょうが)、私は夫に手書きで略地図を書いてもらいました(私が方向音痴なもので)。
願書はどこまで正直に書くべき?
志望動機・長所・健康状態などを書く場合には、「どこまで正直に書けばいいんだろう」と悩んでしまいますよね。
願書はかしこまった書類なわけですから、嘘を書くことはおすすめしません。
特に子どもに関して嘘を書いてしまっても、入園後かならずわかるものです。そんな必要もないですしね。
しかし、だからといって、基本的には不利な情報を書く必要はありません。前述しましたが、特に、短所を書く欄で、ネガティブなことを書き連ねても意味がないです。
ただ、持病など、幼稚園生活において支障が出る可能性のあることは、正直に書くようにしてくださいね。
幼稚園の願書で、合否は左右される?
最後に。こう不安になる保護者の方もおられるでしょう。
「願書で、合否は左右されちゃうの?」と。
「願書が合否を絶対に左右する」と、幼稚園の運営者ではないかぎり言い切ることはできません。
でも、「願書は合否を左右する可能性がある」こともまた、否定することはできないのです。
わが子の入園が少しでも不利になる事態を防ぐため、きちんと願書を書きたいものです。
「この幼稚園は毎年倍率が低い」と思っていても、今年度は倍率が高くなった場合はどうでしょう。
同じくらいの家の近さや条件だったら、願書をきちんと過不足なく書けているかどうかが合否の基準になる可能性はありますよね。
「願書は合否を左右するもの」だと仮定して、願書をしっかり書いていくのが合格への近道かもしれません。
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