12月に入り、クリスマスのイルミネーションが綺麗な時期になってきましたね。
幼稚園ではクリスマスにまつわる読み聞かせや工作が多くなりますし、本屋さんの児童書コーナーはクリスマス一色。
子どもたちも、大好きなサンタさんがきてくれるクリスマスに向かって、気持ちがどんどん高まっていく日々が続きますね。
「子どものクリスマスムードを盛り上げるために、絵本を買ってあげたいけれど、そうそう何冊も買ってあげられない」
「クリスマス絵本ばかり何冊もいらないし・・・」
「結局どのクリスマス絵本を選べばいいの!?」
なんて悩むママ・パパも多いのではないでしょうか。
この記事では、「もし幼稚園生の子どもに一冊だけクリスマス絵本を買ってあげるなら」という前提で、年少・年中・年長さん別に、TK-Mamaおすすめクリスマス絵本を紹介しちゃいます。
目次
年少さんにおすすめのクリスマス絵本『サンタさん ありがとう』
サンタさんは、ツリーの くつしたのなかに
くまさんを いれました。「じゃあね、げんきでね」
サンタさんが いいました。
「ぼく、しんちゃんと なかよくするよ」
くまさんが いいました。「さよなら」
「さよなら」サンタさんは、えんとつをのぼっていきました。
引用:長尾 玲子『サンタさん ありがとう』より
1冊が丸ごと刺繍だけで描かれためずらしい絵本です。
サンタさんが手作りでクマを作って、言葉を教え、ある男の子(しんちゃん)に届けるまでを追ったストーリー。
しんちゃんは「おともだちになってくれるクマさんがほしい」とサンタさんにお願いのお手紙を出します。
郵便屋さんは苦労してそれをサンタさんに届けるのですが、何とサンタさんはしんちゃんのクマさんを用意するのを忘れてしまいます。
それならと、サンタさんは、自分で大切にクマさんを手作りして、しんちゃんのお友だちになれるようにと言葉を教えていきます。泣く、笑うなどの感情も。
サンタさんから身体と言葉、そして感情をもらったクマさんは、クリスマスまでサンタさんのお手伝いをします。そして、お手伝いをするうちに、「サンタさんと離れたくない。ずっといっしょにいたい」と思うようになるのでした・・・。
刺繍がかもしだす柔らかな雰囲気もさることながら、お話がとても深くて、すっと心に入り込んできます。
クマさんがしんちゃんからのお手紙を読み、自分からしんちゃんの元へ行こうとするシーン。サンタさんに、一番綺麗なリボンを首に巻いてもらうところ。不安と、しんちゃんとの新しい出会い。
大人でもじわっときてしまいますよ^^;
この絵本、子どもにとっても、大人にとっても大切な感情がすべて込められているのではないかと思うのです。
誰かのために、愛情をこめて何かをしてあげること。
愛情をかけてもらった分、すなおに愛情をかえすということ。
誰かに寄り添いたいという思い。
ずっといっしょにいたい、離れたくないという強い願い。
別れのさみしさ。求められる喜び。
子どもって、元々こんなことを全部知っているんですよね。
この『サンタさんありがとう』は、うちの子どもたちも感情移入して夢中になってくれた大切な絵本なのです。
年少さんは本当に心がとても柔らかくて、「ふしぎ」を見たまま何でも吸収してしまいます。彼らがママや相手の感情にとても敏感なことも、子育て中の方はきっとおわかりですよね。
そんな年少さんだからこそ、こうした優しいお話を読んでほしいと、私は思うのです。
絵本の中には型紙のページまでありますので、作中に出てくるクマさんと、まったく同じクマさんをママが作ってプレゼントしてあげることもできます。
ちなみに、作者の長尾玲子さんは、デンマークで本格的に刺繍を学ばれたプロフェッショナルです。シンプルで味わい深い刺繍の針運びに、どこか外国の香りを感じるのはそのせいでしょうか。
きっとママやパパにも、クリスマスならこれ!というお気に入りの絵本になってくれるはずですよ。
年中さんにおすすめのクリスマス絵本『クリスマスの三つのおくりもの』
柔和でふっくらしたタッチが魅力的な林明子さんの、手のひらサイズのクリスマス絵本3冊セットです。
「ふたつのいちご」
「サンタクロースとれいちゃん」
「ズボンのクリスマス」
というミニ絵本がセットになっています。
それぞれ独立したお話ですが、時系列の上でも、内容もずべてつながっています。れいちゃん、もっくん、かすみちゃんの3きょうだいが主人公です。
「ふたつのいちご」
一番お姉ちゃんの、かすみちゃんが主人公。
クリスマスイブの前日にクリスマスケーキを作ってくれたきょうだいのママですが、いちごがもう売っていなくて、パパとママの分だけいちごが足りません。
かすみちゃんは、何とかパパとママにもいちごを食べてもらいたいと森へ探しに出かけます。ついにいちごを見つけますが、子ウサギがいちごを持っていってしまいます。かすみちゃんは子ウサギを追いかけて…。
クリスマスの前日に、いちごを探してウサギワールドに紛れ込んでしまうファンタジックなお話です。
ウサギさん宅のディテールもすばらしい。
親目線では、パパママにいちごを食べてほしいという一心で家を出ていくかすみちゃんがいじらしくて(T_T)
「サンタクロースとれいちゃん」
次女のれいちゃんが主人公のお話。
クリスマスイブの夜、サンタさんを待ちきれなくなったれいちゃんは、ベッドから出て暗いお外へサンタさんを探しにでかけます。
森のところで、やっとサンタさんを見つけたれいちゃん。でもサンタさんは、耳当てをしているのでれいちゃんの呼び声が聞こえません。
折しも、サンタさんの袋が破れていたせいで、道には点々とおもちゃが落ちてしまっていました。
袋を繕ったサンタさんは、おもちゃを拾っていくついでに、気づかずれいちゃんまで袋の中にポイッ。え~っ!?という展開ですが、ここがとっても面白い(笑)
ふわふわのサンタさんの袋の中で、れいちゃんは眠りに落ちてしまうのですが…。
クリスマスの絵本はたくさんありますが、サンタさんを迎えにいって、あまつさえ袋の中に入れられてぐーぐー寝コケる子は、林明子さんのれいちゃんくらいではないでしょうか!?(笑)
うちの長女が、年中さんの時に一番お気に入りだったクリスマス絵本です。やっぱり、サンタさんの袋体験がいいみたい。
「ズボンのクリスマス」
白一点?の長男もっくんが主人公のお話。3作中、男の子らしく一番躍動感にあふれたコミカルな1冊となっています。
クリスマスイブの夜が明けて、いよいよやってきたクリスマス当日。今日はおじいちゃん、おばあちゃんのおうちで楽しいクリスマスパーティです。
もっくんは昨夜サンタさんにもらったクリスマスプレゼントで遊ぶのに夢中で、何度ママたちに呼びかけられても一向にお着替えして出かけようとしません(幼児あるあるやで…ーー;)。
ママとパパ、他のきょうだいは、もっくんを置いて先に出かけてしまいます。
なおも、お出かけしようとしないもっくん。
すると、「早くパーティに行きたい!」とウズウズしたズボンが、何とぴょーーーん!と外に飛び出してしまうのです。
ズボンは道を駆け、川を渡っておじいちゃんの家に一直線! びっくりしたもっくんはパンツのまま(笑)、ぴょんぴょん跳ねるズボンを追いかけます。
男の子も女の子も大好きになってくれる1冊だと思いますが、もっくんがザ・男の子って感じです。
ちなみに、もっくんが夢中になって遊んでいるおもちゃは、「サンタクロースとれいちゃん」の中にも出てきます。そういったつながりが楽しいのも、このミニ絵本セットの魅力ですね。
年長さんにおすすめのクリスマス絵本『さむがりやのサンタ』
親も子ども(長女・年長)も大好きな一冊です!
じつはこれ、長女が年中さんの時に購入したのですが、年長さんになった今の方が内容をしっかり理解できているみたいなのでこちらに。
この本に出てくるサンタさんが本当に面白くて(笑)
まず、サンタなのに寒がり。寒さにブツブツ愚痴をこぼし、煙突に文句をいいながらプレゼントを配ります。仕事のあとにはひとっ風呂、そして湯上がりのビール! からのプチ贅沢ディナー。
え?まんまパパじゃん!と言われかねない、何ともリアルな?サンタさん像がすてきです。
年長さんの年頃って、大人が見せる多角的な表情をもう理解しているころですよね。
大人は愚痴を言うことも知ってるし、パーフェクトでないことも知っている。酔っぱらったりすることも知っている。親にとって親近感がある姿なことはもちろんですが、子どもにとっても、サンタさんのそんな姿は身近なものなのです。
この記事の他のお話で紹介した伝統的なサンタ像からはかけ離れていますが、こんなサンタさんのお話を読みながら、親子で突っ込みまくるのも楽しいクリスマスだと思いますよ。
少しマセはじめた年長さんにぴったりのクリスマス絵本といえるでしょう♪
まとめ
TK-Mama超おすすめのクリスマス絵本を、年少・年中・年長の学年別に紹介しましたが、いかがでしたか?
年少さんには、刺繍の優しいタッチと味わい深いお話が印象的な長尾玲子さん作『サンタさん ありがとう』。
年中さんには、3つのバラエティ豊かなクリスマスストーリーがお馴染み林明子さんのタッチで味わえる『クリスマスの三つのおくりもの』。
年長さんには、イギリス作家レイモンド・ブリッグスの現実的サンタが楽しい『さむがりやのサンタ』。
どれも本当にすてきなクリスマス絵本です。きっと、お子さんのクリスマスムードも一気に高まることでしょう。
親子で読み聞かせを楽しみながら、すてきなクリスマスをお迎えくださいね。
幼稚園のクリスマス会などについてはこちらの記事をご覧ください↓
幼稚園のクリスマス会って何をするの? 子供には何の行事だと説明?
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