春の入園式シーズンが終わると、翌年に幼稚園に入園するご家庭では本格的な「幼活(幼稚園入園活動)」がはじまります。
4月からはじまり、幼稚園願書出願前の9月にピークとなる幼稚園の見学シーズン。
この時期に、通園候補となったすべての幼稚園を、どれほど効率的に見学できるかで、お子さんにとって「正しい幼稚園」を選べるかどうかが決まるといっても過言ではありません。
でも、周りのママの話を聞いていると、幼稚園の見学をしなかったという方も時々おられます。
結論から言うと、幼稚園の見学は絶対にした方がいいです。
この記事では、きょうだい2人合わせて10園は幼稚園の見学に行ったTK-Mamaが、出願前にきちんと幼稚園の見学をしておくべき理由を、実際の例をまじえて書いていきます。
また、実際に幼稚園の見学に行った際にぜひチェックしてほしいポイントをリストにしていますので、ぜひご参考になさってください。
目次
外側からではわからない幼稚園の本当の姿
幼稚園のWebサイトや案内ページからでは伝わらない「生の姿」を確認するということです。
では、幼稚園の「生の姿」とは具体的にどんなことでしょう。TK-Mamaが実際に経験した事例もまじえて、一つずつ見ていきますね。
見学に行かないと幼稚園の園舎・園庭はじっくり見られない
まず、幼稚園に見学に行くということは実際に園舎や園庭に入ることができるということです。
このご時世、外部者は自由に幼稚園を覗いたり入ったりすることははばかられます。というか、保護者だったらそんなことされたらイヤですよね。
監視カメラもありますし、外柵もあります。ちょろちょろ園庭を覗き込んでいる大人がいたら職質対象ですよ(笑)
基本は、送迎時と行事以外ではたとえ保護者であっても教員スタッフ以外の大人が立ち入りできないのが幼稚園という世界です。
園舎や園庭は、見学時しかしっかりと確認することができないと思っておいていいです。
たとえば、幼稚園園舎の見た目は塗装などが綺麗で立派でも、建物自体が古く修繕もされていなければ、一歩入ればわかります。
教室の備品が古くてボロボロだったり、園庭の遊具が手入れの行き届かず錆びついているような状態であることも考えられます。
そういったことは隠せるものではありませんから、保護者が自分の目で確かめるのが一番です。
幼稚園の構造は入らないとわからない
いわゆる見取り図的なものは、公式サイトには載っていませんし、そもそも用意されていないことがほとんどです。
(まだ小さいのに、2階以上だったら階段が心配)
子どもたちのようすをきちんと把握できる場所に職員室があるか?
職員室から園庭や門は見渡せるか?
(子どもの安全監視やセキュリティ上の問題)
災害時の避難経路は確立されているか?
トイレは行きやすい配置に十分な個数があるか?
(またそれらに清掃は行き届いているか?)
また、災害はいつか必ず起こるものと仮定して、園舎が耐震基準をきちんと満たしているかどうかを確認するのも大事なことです。
駐輪場・駐車場はある?周辺環境も同時にチェック
実際に幼稚園の見学に行くことで、周辺の環境がわかります。これは行ってみないとわからないことなんですよね。
(まあ、最近はGoogleストリートビューなどで見られるといえば見られますが^^;)
周辺は住宅街か?繁華街か?
大きな道路は近くにあるか?
人通りは多いか?少ないか?
これらの条件によって、親が気をつけなくちゃいけない事が変わってくるもの。
また、特にチェックして欲しいのは、送迎時に駐輪・駐車できる場所はあるか?というポイント。
バス送迎でなければ、毎日徒歩か自転車、あるいは自動車で送迎をすることになります。
駐車・駐輪のスペースがなかったり、非常に限られている場合は後々大変なことになってきますので、ぜひともそこはチェックなさってください。
見学に行かないと園児たちの普段のようすがわからない
また、実際に幼稚園に行ってみないと、そこに通う園児たちの姿って中々想像できないものです。
どの幼稚園でも外部に向けて完璧なメディア対策・広報をしているわけではありません。
昔ながらの教育機関である幼稚園では、むしろ多機能・多情報な「今時」のWebサイトを持っていない方がまだまだ主流なのです。
こんなことがありました。
TK-Mamaの幼活時代、ある私立幼稚園に興味を持ちました。立地条件から検索して出てきた幼稚園です。
その幼稚園では、一応公式サイトは存在していたのですが、園の沿革・園長紹介と、あとは数枚の行事写真を載せているだけで、まったく平凡な作りのサイト。
幼稚園の特徴として、「自主性」「助け合い」などの言葉が並べられていたのですが、正直よく聞く感じですよね。
立地条件が最大の魅力でしたので見学には行きましたが、本音を言うとそんなに期待していませんでした。こう言っては何ですが、特に特色のない地域の幼稚園かと…。
(まあ幼稚園って本来それで十分なのかもしれませんが^^;)
でも見学に行ってみてびっくり。特色がないなんて大間違いだったのです。
一歩園舎に足を踏み入れた私が目にしたのは、園児手作りの衣装を着て楽しそうに階段を走り上がる年少さんの姿でした。
その幼稚園では階段を上がって二階以上に、年長さんの教室があります。
そこでは年少・年中・年長さんの縦割り保育が徹底されていて、年少さんは自由時間に自由に年長さんのおにいさん・おねえさんに会いに行くことができました。
年長さんも、自由に階段を降りてきて、ペアになった年少さんのために作った手作り衣装を渡してあげていました。
自由時間ですので、衣装を作るのもいわば課外活動なのですが、先生にお尋ねすると、年長さんが自主的にちいさな子たちの世話をするのが伝統とのことでした。
また、子どもたちの創造性を伸ばすために、アートにもかなり時間を割いているとのことでした。
その幼稚園の特色は他でもない、園児たちの自主性と自由な縦割り保育が徹底して浸透していることや、工作時間の多さだったのです。
実際に幼稚園に行ってみないとわからなかったことです。
サイトは平凡そのもの。でも実際には、特色にあふれた素晴らしい幼稚園。
そんなことが、けっこうあるのではないでしょうか。
個別見学を活用すべし
もっと言うと、幼稚園時の本当に普段の行動を見てみたかったら、集団見学時(入園説明会)ではなく個別にアポイントをとって個人で見学に行かせてもらうのがベストです。
というのも、やっぱり見知らぬママ・パパたちが幼稚園にたくさん来ると、子どもたちはソワソワするのですよね。
幼稚園生であっても、外部の目を気にして、「よそいき」にしとこう…と思うのが人間というもの。教員はいわずもがなです。
個別に訪問すると、教室の中に入ることまではできないかもしれませんが、教室の外からお部屋の中を覗くだけでも十分に普段の活動のようすが確認できます。
集団見学しか受け入れていない幼稚園もありますが、多くの幼稚園では都合がつかなかった場合などの個別見学も許可しています。
個別見学に興味がおありの方は、お目当ての幼稚園にぜひ聞いてみてください。

幼稚園の見学では「人」を見る
幼稚園の見学の際に、園舎や園庭の確認よりさらに重要なことがあります。
それは、そこでどんな園長先生のもとで、どんな先生方が、どんな風に働いているかを見ることです。
つまり「人」を見ることといっても過言ではありません。
もちろん、わずかな時間の見学だけでは先生たちの働き方を知ることはできませんが、先生同士の連携が上手くいっているか、子どもへの声かけが十分か等、チェックできる部分はチェックしていく必要があります。
TK-Mamaの経験――園長先生の方針に疑問を持った
ここでTK-Mamaの幼活経験からもう一つお話ししようと思います。
地元で評判がよく、倍率もそこそこ高い(願書提出に徹夜組が発生する)といわれていた幼稚園がありました。
仏教系の幼稚園です。
場所も割に近かったので、娘の幼稚園候補に入れて、入園説明会兼見学会に行きました。
施設はピカピカで、園庭も広く、環境面ではこれ以上ない幼稚園に思えたのですが…。
壇上に立たれた園長先生(お寺のご住職兼任)の挨拶の内容に、私は非常に違和感を覚えたのでした。
自慢だらけのスピーチにうんざり
園長先生は、先代から園長職を受け継いで間もないという方でした。まだ40代くらい。
その方のスピーチがまあ、何とも…正直うんざりしてしまうようなものだったのです。
幼児教育に対する教育理念や、幼稚園の方針に対する説明はほとんど聞かれず、ひたすら最新施設と環境面のアピール。
きわめつけは、個人的な自慢をべらべら。
「某巨大プロダクション(エイベッ○ス・笑)で働いている友人がいる」
「その友人が、幼稚園で専属ダンス教室を開講しないかと言ってきている」
「ぜひ検討したいと思っているので、お楽しみに」
……こんな感じ^^;
ええと、私としましては……
ないわ。。
と、なってしまったのでした。
確かに課外レッスンが豊富というのも幼稚園のアピールポイントの1つだと思います。
でも、、、、それしか言うことないんかい!!?
園長先生のお話の時点で、正直出願する気ゼロになりました。
申し訳ないけど、ちょっとこの人にわが子を預けたくないと思っちゃったんですよね。
私は、やっぱり自分が「この方なら」と信用できる方にしか自分の子どもは預けたくないのですよ。
教育は、最後は人が人を教えることだと思うんですよ。
人、大事だと思います。
これから見学される方には、園長先生や教諭の先生方の雰囲気、また園長先生がはっきりとした教育方針をお持ちかどうかというのもぜひポイントに入れていただきたいと思います。
いろんな年代の先生がいきいきと動いているか?
また、別の幼稚園では、目に入る先生方はみんな非常に若い女性ばかり(おそらく20代前半)というのも気になったことがありました。
元々幼稚園教諭は離職率が高い職業の一つではありますが、それにしても、ベテラン教諭が見当たらないというのは、私としては不安を抱えてしまうポイントではありました。
…もしかしたらこの幼稚園、離職率すんごい高いんじゃ??
(原因は何?)
とか、疑ってしまうんですよね。考えすぎ!?(笑)
でも、やっぱり先生はいろんな方がいた方が(年齢・性別)私はいいと思っているので。
というのも、幼稚園入園後は、子どもたちの担任の先生には何かと相談することが増えていきます。
ケンカして幼稚園に行きたがらないなどの、子どもとお友だちとの関係性であったり。夜寝ない、起きれない、トイレトレーニングなどの生活上の悩みであったり。
担任の先生がまだフレッシュな方であれば、それとなく他のベテラン教諭がサポートに入ってくださったりするものです。
なので、一様に20代前半とおぼしき女性ばかりというのは、プラスのポイントにはなりませんでした。あくまで私の場合ですが。
事前に確認! 幼稚園見学時のチェックポイント
見学に行かないとわからないよ~という理由について、これまで説明しました。
次は、実際の幼稚園見学時に見ていただきたいチェックポイントについて、具体的にリストにしておきたいと思います。
どの項目も、私自身が子どもたちの幼稚園見学の時に参考にしていた(確認した)、あるいは、これをもっと見ておけばよかった!と今になって思う項目ばかりです。
みなさまの幼稚園見学の際にご参考になれば幸いです。A4印刷用のチェックリストも用意していますので、ぜひご活用ください(個人利用のみ/転載不可)。
2.園舎は耐震基準を満たしていますか?
3.園舎は何階建てですか?
低年齢児に配慮した階に教室がありますか?”
4.教室は日当たりがよく、風通しがよいですか?
5.教室は子どもたちが十分に動き回れる広さですか?
6.ドアの指はさみ防止対策はされていますか?
7.棚などの転倒防止対策はされていますか?
8.ハンガーやフックが子どもの頭の位置にありませんか?
9.教室の清掃は行き届いていますか?
10.教室ごとに十分な数のトイレがありますか?
11.トイレの清掃は行き届いていますか?
12.年少さんがお昼寝できるスペースはありますか?
13.教室に十分な教具・遊具が用意されていますか?
14.遊具・教具は創意工夫のあるものですか?
15.年齢相応の十分な数の絵本が用意されていますか?
16.絵本はきちんと修繕されていますか?
18.園庭の砂(芝生)の手入れは行き届いていますか?
19.危険な石や異物は落ちていませんか?
20.遊具は古すぎませんか?
21.遊具の手入れは行き届いていますか?
22.ロープを使用したりする危険な遊具はありませんか?
23.砂場はよく使われているようすですか?
(いい砂場はふわふわ)
24.夏の水浴びはどこで行われますか? プールはありますか?
26.ベテランの先生はいますか?
27.男性教諭はいますか?
28.園長先生の理念・方針に賛同できますか?
29.保護者の質問に対して丁寧に説明してくれますか?
30.先生の身だしなみは清潔・適切なものですか?
31.先生同士は会話が多く仲がよさそうに見えましたか?
33.先生は子どもたちを「叱って」くれますか?×怒る
34.先生は子どもたちが傷つくような怒り方をしていませんか?
35.先生は子どもたちと視線を合わせていますか?
36.先生の言葉遣いは丁寧かつ適切ですか?
37.子どもたちは見学者に自分から挨拶をしてくれますか?
38.子どもたちは先生の話を注目して聞けていますか?
39.子どもたちはお片付けをしていますか?
40.子どもたちは生き生きと遊びに取り組んでいますか?
41.子どもたちは困った時、悲しい時に素直に先生に助けを求めていますか?
42.叩いている、騒いでいる子どもが放置されていませんか?
43.子どもたちは笑顔ですか?(大切!)
電話対応を適切に、親切にしてもらえたか?
スタッフ(教員)は幼稚園のことを熟知しているか?
すべてが判断基準になります。
電話をかける時点で幼活ははじまっているのです。